多くの作品集や指南書を出していらっしゃる、水彩画家 永山裕子さんの著作「絵が上手いより大事なこと」を読みました。
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183ページ、フルカラーの美しい本です。
ご本人がつい口にした言葉が本のタイトルになってしまい、「そんな大それたことを語るのは畏れ多い」と困ってらっしゃる様子。そんな上手いよりも大事な事が何かは、序文であっさり答えが出されます。本文ではその答えを肉付けするように、永山さんご自身の経験や作品例を交えて、58個の問いに答えていきます。
まず作品集として楽しめる
120点以上もの作品が、全てカラーで掲載されています。どの作品もじっくりと観たい美しさがあり、作品集としても十二分に楽しめる本になっています。
モチーフと作品を並べた写真もあり、「こんな風にモチーフを組むんだ」「このモチーフがこうなったんだ」と、興味ひかれる驚きにも出会いました。
クリエイティブ・コーディングに活かす言葉
58の問いと回答に、私のクリエイティブ・コーディング活動に活かせる言葉をいくつも見つけました。その中から 3つご紹介します。
- 観念的に描かないこと
- ガラスは青いとか、人の顔は鼻が真ん中にあるとか。本当にそうか?そう思い込んで描いていないか?これはクリエイティブ・コーディングだと特にやってしまいそうです。
- 時間をかけたから完成度が高くなるわけではない
- これは身に覚えがあり過ぎるほどあります。一番良い止め時がどこなのか、いまだに見極めが難しいです。
- 背景とは「こういう空気のところに存在させたい」という気持ち
- 「気持ち」というところが目からウロコです。今まで、前景がこの色だから背景はこの色でという配色の観点でしか考えていませんでした。
ためになる上に楽しめる本
他にも「色彩感覚はどのように身につける?」とか、「良い構図とは?」とか、「違う色を重ねるから透明感が出る」など、今後の活動に役立てられる多くの示唆を得られました。
読んでためになり、画集として観ても楽しめる、そんな本でした。