日本人が感じる美に宿る数と形について書かれた「雪月花の数学」という本を読みました。
西洋の黄金比に対する日本の白銀比、和歌や生花と素数の関係、指数曲線と富士山の稜線などを例に、日本の心を数学で解釈しようという内容です。
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200ページ弱でさほどボリュームは無く、さらりと読める一冊でした。
白銀比のことを知りたくて
黄金比で形作られたものは美しいと言われますが、正直私にはこれがあまりピンときません。
趣味のクリエイティブ・コーディングをやってる中で「白銀比」というものを知り、使ってみると、黄金比より白銀比の方がしっくりくる気がしていました。
キャンバスの縦横比と、上下、左右の分割の比率を黄金比と白銀比にしてみた例
白銀比
黄金比
こうやって並べてみると、黄金比も悪くないですね…。
白銀比のことを調べると日本独特の比率のようで、日本の美と数学に関するこの本にビビっと来て読んでみた次第です。
クリエイティブ・コーディングのネタが増えました
黄金比、白銀比それぞれの導き方、そこからわかる両者の性質の解説は読み応えがありました。円に内接する多角形の辺と対角線の比率が、五角形なら黄金比、四角形なら白銀比になるというのも、クリエイティブ・コーディングで使えそうなネタです。
その他、大工道具の「曲尺」にルート2 が入っている話や、江戸時代の和算についてのエピソードの数々も面白かったです。
日本の美と心の素晴らしさを語るあまり、日本礼賛的な雰囲気が感じられた点に少しモヤモヤしましたが、総じて良い読書でした。
白銀比のバックグラウンドを知ることができ、これからのクリエイティブ・コーディングで自信を持って使っていけます。